
先週末、「夏」に向けて作ったB-29が2-1教室上空でねじれていた。どうやら原因はよくわからないが、墜ちてしまって、あせって直した努力がねじれた胴体からうかがえる。
決して故意ではないとわかっているので、壊れた原因をとがめるつもりは全くなかった。ものがどうしたら壊れるかというのは、作った者でないとなかなかわからないものだ。
ただ、自分で作ったものというのは、他人がどう評価しようとも
カワイイもんで、自分では「こんなもん」とかいいながらなかなか気に入っていた。
(最近は暖房が入るようになったから、空気の対流でゆらゆら揺れるのも密かに楽しんでいた)
だから、ねじれているのがとても気になり、それを直そうとして分解したものの、時間がないので放置しておいた。
この土日も大会とオヤジの法事で、月曜の朝は疲れが残って少々ぼーっとしていたのかも知れない。朝の教室で何気なく触れたら、…
パキッと主翼は折れた。一度こうなると、なんとも
妙なやけくそというか…結局作ったこの手で破壊し…「
あ”ー!」という皆の目前で「鉄賞賞状」と一緒にゴミ箱へ葬り捨ててしまった…。
[Z] 合唱コンクール「鉄賞」
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遠い親戚にあたるが、新得町で
大崎博物館を営み、鉄道関係の大小グッヅを公開する傍ら、写真や陶芸を行っている大崎さんという方がいる。

「
鉄道員(ぽっぽや)」という大好きな映画があるが、そこに出てくるさまざまな鉄道関係の小道具を提供した方でもある。
(めったに泣かない俺が不覚をとった、大好きな名作だ)
大崎さんに
「失敗した物でもいいから一つ下さいよ。」と、一杯飲みながら調子に乗ってお世辞のつもりで言ったら、笑顔が悲しげに突然変わり、叱られたことが記憶にある。
(実はこの時に初めて
ものづくりの心意気を学んだとも言えようか)
…つまり、それを思い出した。
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やがて、プロペラに貼ってあった
鉄賞の賞状とB-29の辛うじての残骸は、知らぬ間に生徒の手によりゴミ箱から教室に戻され、再生へのささやかな心を託されていた。
俺はそれを目の当たりにし、かなり
ぽっぽやになったさ。