…もしもそうならば、
諫早湾の干拓事業並の愚挙となろう。
なぜならば学生時代の俺は、中国語の研究と内燃機関の解析、発酵液体に対する肉体改造、ついでに柔道…に明け暮れていたため、
教員副免を持っていないからだ。
(そいつはさておき…)
「日本経済の根幹は
ものづくりであると思う。」
…この、「
ものづくり」という言葉の響き、教科書に載りはじめたときはなんて
野暮ったいのだろうと思った。
だが馴染んでくると、なんとも温かく、しかし日本の将来への毅然とした決意みたいなニュアンスを感じるようになった。
(カタカナやアルファベット言葉が乱立する世間への、ひらがなの反旗と感じるのはおれだけか)
もちろん表記的な問題ではない。
現代の人々の多くは、単純な「
押しボタンスイッチ」の操作に終始している。
これが、
思考の単純化に影響しているという報告は知らないが、短絡的な出来事がこれほど多く伝えられる事実と全く無関係とも断言できまい。
切る、削る、曲げる、くっつける、塗る…引く、押す…様々な作業から手先を通して得られる情報は、発達段階の脳ミソに間違えなく良好な刺激を生む。
金さえ出せば手に入る多くの工業製品だが、その陰に
隠れた努力や苦労を垣間見ることこそ具体的な
「総合学習」であろう。
「もし、技術科がなくなったらどうするの?」
「たぶんあり金叩いておでん屋開くよ。ただし、カレーおでんだ。」
(そんときゃみなさんごひいきに)