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2008-03-16

2008年 3月 16 日曜日

1行目

「あんたがいなくなったら一体どうなるんだ?」


あくまでも仮定としつつも公立の学校に勤務している以上、いつかは去らねばならない。
校内の幾つかの要素に関わっている以上、それがあたりまえのものなら大して問題にはならない。

俺は非常に我が儘で自分勝手だ。
これは誰かがやると思えばあからさまに手を抜くし、これは誰もやらんと思えば気合いが入る。
「お前にしかできないことをやるな!」と、若手の頃親分に叱られたことがある。
極めて保守的な「学校という場」を職場に選んだのは失敗だったかと思ったこともある。

「へのかっぱ」…これを貫くしかない。


それまでなかった部活を作ったとき…曲者といっては失礼だが…確かにたくさん集まり色々な問題も起きた。
「あんたが来たおかげで迷惑だ」という空気すら感じた。
それが11年間で7回も代表の年になった。

11年前、最初に勤務校に来たとき、玄関で迎えてくれたのは雑草と枯れかけた松の木だった。
今は綺麗な花壇と手入れされた松の木、そしてトールペイントされた大木の丸太が客を迎える。
一声かけたら生徒が集まり、オヤジはダンプを動かし、良い土が入り、今は母親達が手を掛ける。

「別に学校にホームページなんてなくても…そんなヒマあったら他の…」という空気は感じた。
ようやくそんなガスは綺麗になくなったと思う。
別になくてもいいと思いつつ、試しにやるだけやってみた。
それも1行目になった。

で、1行目への回答。

「知らん」


冷たいのでも無責任でもない。
ではどうせよというのか?…ということだ。

いずれにおいても、ニーズあるいは価値を感じた者がいるならば、それを継承すればいい。
Webは、離れていても手伝うことはできるし、現に手伝ってもらっている。
Webはなぁ…。

いずれにせよ1行目ほどの賛辞はない。
「ありがとう」より嬉しくキツイ。

でも折角Webなんだから繋がろうよ。
(あくまでも仮定の話)

やがて、今では想像もつかないネットワークがこのエリアに構築できる。
Webはなぁ…。
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卒業

ろくな返事も挨拶もできないままに俺の元から旅立たせたくはない。
「めんこがられる人」として俺の元を旅立たせたい。

あらゆる手段を使って様々なことをたたき込んだが上手くいかない。
最後の手段は、俺との絆を賭けることだった。

この数ヶ月、朝と帰りの挨拶はおろか、進路に必要な連絡と最低限の指導以外はコミュニケーションを絶った。
如何なる非難も覚悟の上だ。
そうすると教室掃除すらおろそかになる。

俺は、朝、学活中にバケツに水を汲み、雑巾でせっせと教室中の床を拭いた。
非道いモンだ。
誰も手伝うどころか、詫びを入れるどころか、静かになるどころか、ただワイワイと楽しそうにやっている。
とうとう家から掃除機を持ってきた。

頭に血が上るが、怒ったら負けだと思い、ひたすら辛抱と勝負した数ヶ月。
誰かがたった一人でも行動を起こせば済むのだがそれすら適わない数ヶ月。
いやーしんどかったぜ。

そしてついに卒業式前日を迎えた。
式の総練習…「(最後のチャンスだぞ)」…と心の中で語りかけた。

「!」


これまでとは打って変わり、今まで見たことのない光景が目に入る。

心もあれば気遣いもできる。
なのに常に「???」という思いばかりに悶々としていた。

実は「Too shy」…なだけだったのだ。


気づいても感じても照れくさかったり、自分が傷つくのを怖れて行動できないということに、俺ももう少し早く気づいてやれば良かったが、ギリギリで気づいて良かった。
実は、「Too shy」なのは俺だったのかも知れない。

卒業式はホントによくやってくれた。
最高の呼びかけに最高の返事で応えてくれた。

ある一つの、最後のイタズラを考えていた。
どうしようか迷ったが、決断したのは花道を退場する最中だ。
大勢が温かく退場を見守ってくれたあと、階段を上り、教室に入らず…「ダッシュ!上までいけ!」

まだ雪の残る屋上。
ツルツル滑って転ぶ、転ぶ…涙と笑顔と雪でベチャベチャの掟破りの記念撮影敢行。
「ばれたら始末書だからばれずに戻れ!」…あちこちベチャベチャにしてばれないわけもない。
残りわずかに30分…俺はそれを最後の通信に貼り込み、プリンタを動かした。

息を切らしながら、すでに保護者が大勢の教室に戻り、延々とこれまでの思いをぶちあげた。
「実は…」と生徒も思いを綴ってくれた。
こうなってくるとただじゃ済ませられん。

じゃあオプションのイタズラを…「玄関ダッシュ!」

せっかく職員が見送ってくれていたが、最後のトドメは玄関での記念撮影。
ある子の頭をなでたら、まるで赤ん坊のように泣き出した。
080314tbd (2).JPG

ここのところ、特に彼女はなんとかしたいと感じているのはわかっていた。
でも行動できないもどかしさを感じていたのもわかっていた。
「将来立派な獣医になれよ。そんときゃ俺の友人を紹介してやる」
また号泣。

その後も…いやー何人にも泣かれた泣かれた。

じゃあホントに最後の…旅立ちのヒトコマをどうぞ。

そのあと、頼んでもいないのに、弟子達がたった6人で会場の片付けをやっちまった…。
「やってらんねぇ!」と思うことも多々あれど、これだから教育はやめられん。

醍醐味だな。

さてと…もう一泣かせしてやろか。
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